ONE on ONE コミュニケーション能力
コーチングはテーラーメイドのマネジメント
One on One コミュニケーション
これまでは上司が部下やチームに対して一斉に同じ指示、同じコミュニケーションを取るものがほとんどでした、いわゆるトップダウン方式です。
この方式の欠点は、同じ指示が全員に出る為に、チーム各個人の目標や感じ方、理論的な考え方が全て違い、同じ指示でも各個人で受け取り方が全て変わってくるということです。
これからは、部下やチームに対して全体ではなく、その人個人に合ったコミュニケーション方式、One on Oneつまり一対一の関係を基本とするコミュニケーションを重視します。
この一対一のコミュニケーション方式のメリットは、その人の目標や感じ方、異論的な考え方に合わせた助言やアドバイスができるということです。
一対一の関係性が基本スタイル
同じことを言っても、集団になると人によって受け取り方は異なります。
各個人によって受け取り方が異なり、行動が変わり、スピードも変わり目標も変わってしまいます。
そこでコミュニケーションは基本的に一対一で行われる、コーチングです。これは言わばテーラーメイドマネジメントと言えます。
今までは大勢の人の前で上手に話せ、人の心を動かすことがリーダーやマネージャーの条件でした。
「集団を目の前に説得できる!」この説得力こそが上司やマネージャーの前提条件のように思われていたのです。
しかし、今現在、それは通用しません。
今現代必要とされているのは、上司やリーダーという役割、仕事という理由を離れ「一対一」で部下とコミュニケーションを作り出せる上司やリーダーなのです。
今までも一対一でのコミュニケーションは心を開いて話した方がいいと言われてきました。
しかし、今現代はそれが本当に実行できなければ、チームや部下の自発性を引き出すことはおろか、仕事や会社に対する愛着も育てられない時代です。
人と人との関係性においては、どこまでいっても一対一のコミュニケーションが基本です。
コーチング助言やアドバイスにおいても、上司やマネジャーにとって部下とのチームとの一対一のコミュニケーションは、組織力を高めるのに重要です。
各個人のタイプに合わせる
千差万別、その人の性別や身長、体重、考え方、家族構成においても、同じ人は全くいません。
病気にかかった時にお医者さんが出す処方箋もその人個人個人に合わせた薬を処方するはずです。
それはその人個人個人に合った薬を処方するのが最も効果的だからです。
上司からの助言やアドバイスコーチングも全体に向けるものではなく、その人個人個人に合ったものを処方するのが最も効果的です。
ここ近年は病気に合わせて開発された薬が使われてきました。
ところが、医療の先端では遺伝子解析が進んだことで、個人に合わせた薬である、テーラーメイドメディスンの研究が現在行われています。
コーチングや助言についても、画一的な方法で教育しても効果が期待できません。
上から押し付けるようなトップダウンでも成果が上がりません。
むしろ部下の才能や能力、そしてチームの考え方ややり方に合わせて個々個人を教育をした方が効果が上がるという事例が多いです。
人は考え方、物事の受け取り方、価値観、全て違います。
同じ話をしていても、頭でその話を想像する人、理論的に捉える人など様々です。
想像で物事を考える人が多い人に、理論的な意見を求めてもうまく答えることができません。
逆もそうで、理論的に物事を捉える人が「今どんな感じ?」、「いい感じ?」というような抽象的な質問に対して、うまく答えることができません。
名プレーヤーが名コーチにはなれない
コーチングとは教えるのではなく、相手から引き出し、相手に考えさせるもの!
会話というコミュニケーション
自分の過去の実績とコーチングの技術に量は必ずしも等しくありません。
名プレーヤーが必ずしも名プレーヤーを育てているコーチになれるとは限らないのです。
反対に、プレイヤーとしてはあまり目立たなかったにしても、コーチや監督になるとチームの育成、プレイヤーの育成に才能を発揮させる人もいます。
選手としての能力やスキルとコーチや監督としてのコーチングのスキルや能力は全く別物なのです。
名プレーヤーが名コーチになれるとは限らないのは、一言でいえばコミュニケーション能力がないからです。
簡単に言うと、相手の話を全く聞かない、聞く耳を持たないということです。
名プレーヤーであるかどうかは関係なくコーチとプレイヤーの間ではコミュニケーションの会話がしっかり交わされています。
選手の能力を伸ばすかどうか、選手の能力を殺すかどうかは、コーチはどのようなコミュニケーション言葉をかけるかどうかにかかっています。
どんなに素晴らしい技術を持っていたコーチだとしても、それをプレーヤーに言葉でコミュニケーションで伝えることが出来なければ全く意味がありません。
また、その技術を、プレイヤーがうまく使えるようになるためには一方通行の押し付けコミュニケーションでは全くうまくいきません。
ただほとんどの場合、コーチや上司などはプレーヤーや部下よりもたくさんの話をしてしまいます。
そのために、コーチや上司などは今のプレーヤーや部下の状態を理解したり、彼らがどんな動機なら行動を起こせるかについて知る機会を全く失ってしまいます。
したがって、ありきたりのことは言えるでしょうが、相手に行動を起こさせたり、相手の心をたきつけるようなアドバイスをするまでには至らないのです。
相手に考えさせるという技術
上司が部下を管理しすぎると、部下の自発性を失ってしまいます。
状況対応能力を低下させます。
部下は上司の指示に従えばいい、という考え方は否定できませんが、上司には任せる技術が求められます。
極度の管理が問題されると、その対極にある放任に陥りがちだということです。
ただし、放任と任せるわ、似ていますが全く違うものです。
放任されてしまえば、自分の仕事や行動に対するフィードバックもなくなります。
部下は成長の機会を失ってしまいます。
管理と放任の二極化に対してコーチングというものがあります。
会話を交わしながら
- 必要以上の管理はしない
- 部下の自発的な行動を促す言葉
に価値を見いだせるようにならなければなりません。
今現代求められているのは話を聞くのが上手いリーダーです。
コーチングとティーチングが全く違います。
コーチングは教えるのではなく、相手の自発的な行動を引き出し、考えさせます。
上司や監督管理する立場にある人は、コーチングを学ぶべき理由があるのです。
ワンマン管理職にありがちな過ち
- 相手を受容しない
- 提案や要望ができない
- 信頼関係が築けない
- 部下の聞く能力を理解せずに話してしまう
- 自分の過去の実績と現在のマネジメント能力が別のものであることを理解していない
- 効果的な質問ができない
- 部下を管理し過ぎてしまい、それによって自発性を奪う
- 自分は分かっていても、それを伝える方法を知らない
- 「人はそれぞれ考え方が違う」という原則を忘れ一つの考え方ややり方を押し通してしまう